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2018年 社長新年挨拶

企業情報

歴史と誇りを胸に、100周年を駆け抜ける
山九グループの皆さん、新年あけましておめでとうございます。2018年の年頭にあたり、社長として所信を述べ、新年の挨拶とさせていただきます。

100周年を迎える年

 今年は、1918年に「山九運輸株式会社」が設立されて以来、100周年を迎える記念すべき年です。一般的な企業の平均寿命は30年程度と言われ、100年を超える企業は全体の2%にも満たない中、山九がその中の1社になろうとしています。
私はもう自分の誕生日はあまりうれしくありませんが、子供の頃にはワクワクした気持ちで誕生日を迎えたものです。今年、山九が100歳の誕生日を迎えるにあたり、子供の頃と同じように本当にワクワクしています。それは限りある人間の寿命と違い、山九がこれからもっと成長して、更に明るい未来が待っていると思えるからです。そしてなにより、会社を支えてくれるたくさんの仲間に囲まれているからこそ、そう感じることができるのだと思います。

 山九はこの100年の間、日本そして世界において主要産業を陰で支えてきたという自負があります。そして、経営理念にあるように、社業の発展を通じて、社員の生活の向上と、社会の発展に貢献してきました。それは皆さん一人ひとりが日々一生懸命働いている成果であり、大変誇らしく思っています。今年は、歴史と誇りを胸に100周年を迎え、その先にある明るい未来にむけて、勢いよく駆け抜けていく年にしようではありませんか。

山九の強さ

 では、なぜ山九は100年間続いてきたのでしょうか。それは、「人を大切にする」という企業理念を掲げているように、「人」の力があったからです。「人」こそが、山九の一番の財産です。まずは、全ての人に感謝を申し上げたいと思います。設立当時から現在に至るまでの、国内外全ての従業員の皆様、そして、それを支えてきた家族の皆様、苦労を共にしてきた関係会社、協力会社の皆様、その他全ての関係者の皆様、本当にありがとうございます。

 そして、山九がこれまで様々な困難を乗り越えてこられたのは、そこにいる人たちが「変化対応力」を身に着けてきたからです。100年前、八幡製鉄所や徳山燃料廠の荷役作業・構内作業から物流の歴史をスタートし、その後、お客様の設備増設対応などに伴い機工事業を発展させ、海外への進出をサポートしながら、世界に事業を拡大していきました。戦前から戦後、激動の時代を生き抜いてきた過程において、多くの困難があったことは容易に想像できます。ただ、我々が立ち向かってきた困難の数だけ、知識やノウハウが蓄積され、どんな世の中の変化やお客様の変化にも対応することができる「変化対応力」を身に着けることができたのです。

 そして忘れてはいけないことは、山九を選び続けていただいたお客様への感謝です。我々が他社より一歩先に、お客様の変化に対応できるのは、常にお客様のそばに寄り添ってきたからであり、それが我々の何よりの強みです。お客様のそばで、その要望に応えるために精一杯考え、提案を重ねてきたことが、我々の力になっており、お客様のニーズが我々の糧なのです。

 お客様に応え続ける中で、我々の武器となる「品質」が磨かれてきました。山九の品質とは、第一に「安全」であり、経験に裏打ちされた確かな「技術・ノウハウ」であり、長年培われてきた「技能」です。

 今や世界にフィールドを広げる山九ですが、「変化対応力」とその「品質」に加え、お客様の立場に立って自問自答し改善を続ける姿勢、感謝の気持ちをもって更に良いサービスを探求し続ける気持ちは、我々に組込まれたDNAであり、これからも変わらないもの、代々受け継がれていくものです。現場の皆さんには、長い歴史の中で培われてきた山九の強さに自信を持ち、更に磨きをかけ、次の世代に伝えていく意識を持って欲しいと思います。

世界No.1アウトソーサーを目指して

 今でも山九は成長の途上にあります。昨年度の業績、そして今年度の上半期の業績は過去最高を更新しており、皆さんの努力の賜物であると感謝しています。

 ただ、これからの世の中は、今までの100年間とは比べものにならない程、変化のスピードが速くなり、これまでの10年分が1年で動くような時代になると感じています。これまでの常識がガラッと変わるような劇的な変化が起こるかもしれません。
かといって、今年から我々のやるべきことが急に変わるわけではありませんが、100周年を迎える年に当たり、少し長い目で見た今後の心構えを話しておきたいと思います。

 これから確実に訪れる社会問題として、日本における労働力人口の減少があります。「人を大切にする」企業、人が生み出すサービスを提供する我が社にとって、大変大きな問題です。ただ、これは山九だけの問題ではなく、同時にお客様にも起こる問題なのです。これをピンチと捉えるのではなく、今までお客様の労働環境にアウトソーシングで応えてきた我々にとって、逆に様々な提案ができるチャンスであると捉えてください。

 効率化、省人化、機械化、ロボット化、IT化など、我々の持つ技術・技能・ノウハウに、世の中に存在する様々な最新技術を取り入れることで、お客様が直面する問題をどのように解決できるのか、皆で知恵を出し合い提案していけば、今にも増して大きなチャンスが生まれます。
また、世界に散らばって存在する技術、災害やリスクの回避方法、各事業の成功事例などを蓄積・共有・展開する手段もこれからもっと進化していくはずです。世の中の変化のスピードが速くなる分、我々も変化に対応する速度を上げていく意識を持たなければなりません。

 日本をはじめ先進国においては人口が減少していく一方で、世界の途上国に目を向けると、今後は爆発的に人口が増えていきます。世界に拠点を有する山九グループは、どのようにしてグローバルに労働力を活用できるのか、日本や各国の法規制等に対応しながら、真剣に検討していく必要があります。今後は、海外で育った人間が日本で活躍したり、海外の人間を日本で育てて送り返したり、という時代になってくるでしょう。

 「人」の問題は、我々にとって大きな課題です。ただ、これまで人を大切にする文化を育んできたからこそ、我々がその強さを発揮できる時代となり、本当に世界No.1アウトソーサーを目指すことができると思っています。

 人が不足する時代になると言っても、「人を大切にする」という企業理念が変わることはありません。これからも、人の採用と教育に力を入れていきます。

 中期経営計画の中では、寮の建替えや、海外を含めた教育施設の充実を図るための設備投資を計画しています。中でも、創立100周年に合わせ、今年の3月に新しく平戸錬成館宿泊棟が完成します。そこには、人の採用、教育の象徴としてのメッセージが込められています。会社は人を採用し教育に力を入れることで、長い目で社員が成長していくことを望んでいます。そして教育を受ける人にも、この会社に留まることで自分が成長できる、ということを実感して欲しいと願っています。教育を通じて会社と社員の皆さんとの間に、相互の信頼関係が生まれることで、更に強い会社に育っていくはずです。

 そして、職場において相互の信頼関係が一番必要になるのが「安全」です。いつも言うように、山九の職場に安全な場所は存在せず、常に危険と隣り合わせです。災害をなくすために、同じ会社内に限らず、お客様、関係会社、協力会社の垣根を超えてコミュニケーションを取り、一緒に働く仲間から絶対に被災者を出さない、という強い思いを持って臨んでください。危ないと思えば、たとえ先輩であっても、「危ない!」と声をかけられる、そして言われた先輩もそれを快く受け入れられる、そんな強い信頼関係を持った職場作りを目指してください。

 冒頭に山九が100歳を迎えると言いましたが、人の人生と同じように、後ろを振り返ればあっという間に感じられ、先を見れば遥か遠く感じるものです。次の100年と言っても見当がつきませんが、100年後の社員が後ろを振り返った時に、今の我々と同じように会社の歴史を誇れるよう、正々堂々力強い一歩を踏み出し、共に新しい歴史を作っていきましょう。

最後に

 最後になりますが、社訓三原則の3つの言葉、それらは創業者中村精七郎が大切にしていた言葉であり、100年後の今となっても決して色あせず、私たちの心のよりどころとなっています。いつも皆さんが職場で唱和している社訓三原則ですが、100周年を迎える元旦にあたり、今日は皆さんと一緒に唱和したいと思います。

 では、ご唱和ください。

 一つ、公言実行。
 一つ、自問自答。
 一つ、感謝。

 今年一年、そして今日も一日ご安全に!

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